日常と夢

日常と夢

財布の中のお札のほとんどが二千円札になる夢。

千円札5,6枚と、一万円札1枚と、二千円札1枚を持っていつものコンビニに行って支払いのために札入れを見ると、千円札が全て二千円札になっている。

嘘だと思って一枚ずつめくるが

(これも、これも、これも…これも二千円札!?)

千円札は全て二千円札になっている。

混乱しながら一万円札を確認すると、一万円札は変化なし。

じゃあその陰にかくれている元からあった二千円札は…!?

と思ってみたら、二千円札はやっぱり二千円札だった。

 

大学時代の知り合いが、「おいしいおまんじゅうだよ!今度買いに行く!」と、おまんじゅうの写真とともに、売っているお店のことをTwitterに書いていた。

私はなんとなく流れてきたタイムラインでその呟きをみて、すごく美味しそうだなあ、と感心する。

 

それからそんなに日を空けずに帰省した。

祖母の家に行くと、近所に老舗の饅頭屋さんがあるという話が出た。

母はその店のおかみさんが子供だった頃から知っているという。

祖母と母は、「(おかみさん)ちゃんは幼馴染の○○くんと結婚するとき色々あったけど、今は幸せそうね」と口を揃えて言った。

 

私はそのお店に行くことにした。母に言うと、お店とおかみさんの自宅は別に構えてあり、行くならお店に行くより、おかみさんちに直接遊びに行く方が良いという。昔のよしみで何かあるのかもしれない。私はお宅の方へ行ってみることにした。

 

おかみさんのお宅はすごく大きかった。しっかりした作りの日本家屋だった。インターホンを鳴らすとおかみさんが出てきた。(母)の娘ですと自己紹介すると、快く家に入れてくれた。

代々伝わるおまんじゅう屋さんで、一人娘だったので跡をついだという。上品な感じの女性だ。

せっかく来たのだからと、おまんじゅうを出してくれた。

私はそれを見て驚いた。知り合いがTwitterに書いていた饅頭屋はここだったのだ。

饅頭は一口サイズで、皮の色が白、緑、うす桃色だった。

私はすぐにTwitterで返信した。

なんと知り合いも偶然同じタイミングで帰省しており、今からこちらに向かうという。しかもおかみさんは、知り合いの叔母らしい。

知り合いは、あと二時間もせず到着するという。

私は知り合いが来るまで、おかみさんととりとめなく話をした。

おかみさんの旦那さんは、饅頭屋の近所の家の子だった。幼馴染でずっと仲良く遊んで育ったという。

そんなに活発ではないが優しい人のようだ。

なんとなく男らしさが感じられない旦那さんとの結婚を、周囲には反対されたという。

しかしおかみさんが懸命に説得して、結婚できたらしい。今でも幸せだという。それはおかみさんの表情や雰囲気からも見てとれた。

 

知り合いが到着して、こんな繋がりがあるなんてすごい偶然だよねと盛り上がった。

世間は狭い。

お土産としてその店の饅頭が買いたくなったので、帰りに店舗の方へ寄ることにした。

老舗らしく立派な店構えで、主力商品の饅頭の色をのぼりにしている。(白、緑、うす桃色とあと一色あったが見えなかった)

おかみさんに挨拶をして家に帰ることにした。

おかみさんは終始幸せそうだった。

店舗の裏口側の道路を渡ると、祖母の家の玄関が見えた。

 

高校時代3年生の時のクラスで修学旅行に行くらしい。

修学旅行というが、どうも、リオオリンピックの応援をするらしい。

私は「オリンピックの応援なんだから、今日明日で出発するわけもない。」と考え、特段なんの旅支度もしていない。

そうこうしていると、クラスでインターハイの応援に行くことになる。バスで会場に向かい、応援をするという。

私はインターハイの応援ならもちろん日帰りだろうし、肩掛け式のポーチに身の回り品だけ入れてそのバスに乗り込む。応援と言いつつ、結局は日がな一日ぼーっと高校生のスポーツ大会を眺めていればいいのだ。

しかし、クラスのみんなは様子が違った。みな、大きめのトランクに荷物を詰めてバスに乗り込んでいく。明らかに数日間の旅行を前提としたような身なりだ。

私はなんだか嫌な予感がした。この応援のあと、リオに行くような気がした。そんな事を担任がホームルームで言っていたような気がした。そんな記憶が頭にかすかに残っているような気がした。

バスが発進した。クラスの子はインターハイの応援の話ではなく、修学旅行の話ばかりしている。「この後リオに着いたら何をするか」という話題ばかりだ。

悪い予感は的中したようだ。このバスはこのままだと羽田空港に行き、私たちはそのまま飛行機でリオに行ってしまう。インターハイの応援というのは一日がかりでやるものではなく、空港で小一時間壮行会を行うだけのようだ。

みんなはいつの間にか正しいスケジュールを知っていて、しっかりと旅支度を調えているが、私は何も知らず、持ち物も財布がポーチに入っているだけだ。

ふつうの旅行なら、財布だけでも数日過ごせるかもしれないと一瞬安堵したが、直後に、重大なことに気付いた。

私はパスポートを持っていない。ただ単に家に忘れたのならまだしも、パスポートを発行したことがない。自分のパスポートを持っていない。このままではリオ(ブラジル)に入国できない。いや出国すらできないのかもしれない。

バスは順調に空港に向かっている。車内は海外旅行への期待で盛り上がっている。

しかし私にはパスポートがない。もう担任にいうしかないと思った。

修学旅行でパスポートを忘れるなんて前代未聞だろう。発行する時間もないし、私一人家に帰らされのだろうか。

私は担任に耳打ちした。担任の顔色が変わる。非常に困った顔をされたが、怒られはしなかった。担任はしばらく考えた結果、「入国審査をごまかせばどうにかなるだろう」と言った。私には意味が分からなかった。よくわからなかったが、なんと担任は誰のものでもない偽造パスポートを持っていた。(英語教諭だかららしい←???)この偽物のパスポートに記載されている人物になりすまして入国審査をごまかせばいいという。

そのパスポートはスイス人のパスポートだった。担任は私に、「スイス人に成りきれ」という。担任は言う

「入国審査で出身国を訊かれたら、」

「すうぃっつぁーランド???」

「いや、スウィップといえ」

担任曰く、スイス人は自国のことやスイス人自身のことを「スウィップ」というのだという。その方がネイティブ感が出るらしい。「Yes」を「Yap」という感じだという。

あとは口数を少なくすれば入国審査は通れると言い張る。英語教諭だし、担任の言うことに間違いはないのかもしれないが、私は「無理だ」と思った。

パスポートの顔写真の西洋人(男性)と私は似ても似つかない。大体嘘が見破られたらどうすればいいのだ。嘘をつかずにブラジルの日本大使館に駆け込んだほうがましだ。

私は担任のアイディアを断ることにした。

もう空港に到着するまで1時間を切った。リオ行きの飛行機が出発するまで2時間もないだろう。私はダメもとで、母親に電話で頼むことにした。

あと2時間で、パスポートを発行して、空港まで持ってきてほしいと母に伝えた。

母はすごく困っていた。しかしどうにか頑張ってみると言ってくれた。

我々は空港に着き、出発ロビーに向かっていた。エスカレーターを何度も昇ったり降りたりした。

私は母が来るのを待ったが、もう間に合わないようだ。飛行機の時間が迫ったため、私だけ日本に残り、みんなは定刻の飛行機でリオに向かった。担任からは、別の飛行機に乗って後から来るように言われた。

母にまた電話をすると、パスポートが発行できたという。

パスポートは郵便局で発行できたらしい。(受付時間ぎりぎりだった)

私はやや寂れた街のデパートからその街を見下ろす。
見下ろした先には、駐車場のように区画された土地で路上生活をするおじさんの一群が見えた。
私は直感的に「この人たちと触れあってはいけない」と思う。本能的な危険を感じる。
自分がいるデパートの館内の案内板を見ると、そのおじさんたちだけが出入りするフロアがあるようだ。
なぜそのおじさん達専用になっているのかわからないがとても不気味だ。
私はそのフロアにも行かないように気を付けなければ、と思った。
もし会ってしまうととんでもなく危険な気がするのだ。
私は買い物のためにデパートを行き来したが、構造をよく把握していない建物だったにもかかわらず、幸いにもそのフロアに行くことも、おじさんに会うこともなかった。

目が覚めてから、(そんなに不気味で危険なおじさん達には夢でしか会えないだろうから、何かしら接触すればよかった)
と思った。